
小さな炎のあとに
昨日は、久しぶりの排便があって、体の奥で小さく灯っていた“命のランプ”が、ふっと明かりを見せてくれた日だった。
うれしかった反面、「お腹の中も空っぽになっていくのか」と不安も感じた。
どうやらその予感、あながち間違いではなかったらしい。
今朝も排便あり。訪問看護師さんが、少し迷いながらも摘便で便を取り除いてくれた。
今日の訪看さんは理論派のベテラン。話によると……
「排便には2種類あるんです。体力があって出せるときと、力がなくなって自然に出てしまうとき。」
さくらさんは、どうやら後者のようだ。
元気な人でも、一気に便が出ると血圧が下がったり、力が抜けたりすることがある。
同じ理屈で、体の中の便が出てしまうと、今の落ち着いている絶妙なバランスが崩れ、急変することもあるそうだ。
「本人が喜ぶことをしてあげて。家族は悔いのないように。」
そう言われて、思わず心の中でつぶやいた。
そっか、喜んでる場合じゃないのか。
でも、教えてもらえてよかった。
今日もできることを
昨日は、みかんの香りを嗅がせてみた。果汁に口腔ジェルくらいのトロミをつけて、スポンジで舌に塗ってみた。
口の中に残らず、流れたようで安心した。今日もやってみよう。
それから、夕べは、美空ひばりのコンサート映像をタブレットで再生。
うつらうつらしていたのに、目を開けてずっと見ていた。これも今日、もう一度やってみよう。
何をしたら喜ぶだろう
手を握る。マッサージをする。話しかける。
他に何ができるだろう。
さくらさんが好きだったこと……。
レンジで温めた湯たんぽをお腹や腰に当てるのもいいかもしれない。
「気持ちいいねぇ」と喜んでいた顔を思い出す。
ホットアイマスクも日課だった。
酸素チューブがない今こそ、あの温もりをもう一度。
――あと何ができるかな。
――何をしたら喜ぶかな。
こう考えている時間も、私にとっては幸せの時間だ。
今を大切に。介護のエネルギー、もう一度ギアを上げて、しっかり向き合っていこう。
ファイト!!
まとめ
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排便は体力のバロメーター。自然に出る場合は体の力が落ちていることも
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排便後は血圧や心拍の変化に注意
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「今できること」を一つずつやるのが、家族の後悔を減らす近道
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好きな音楽や温もりで“心の活力”を