
父へ願いが届いたのかも
今日はさくらさんと竹さん(父)の結婚記念日。
数日前、さくらさんの呼吸が荒く、胸がざわついた。
「もしかして、竹さんが迎えに来るんじゃないか?」と。
だから「まだ迎えに来ないで。もう少し待っててね」とお願いしていた。
すると今日は、一日中穏やかな息遣い。
その願いが、届いたのかもしれない。
さくらさんへ声が届いた瞬間
今日のさくらさんは、呼びかけてもずっと目を閉じたまま。
それでも、聞こえているような気配がある。
訪看さんが血圧を測ろうとすると、痛む腕を触られて力を入れる。
「力を抜いて、リラ~っクス」とさすると、すっと腕が伸びていく。
口腔ケアでは口を閉ざしたまま。
そこで訪看さんと私で「あ~んして」「お口の中をきれいにするよ」と両方からステレオ放送のように声をかけると、やがて口を開いてくれた。
痰の吸引も「がんばれ」「すぐ終わるよ」と声をかけながら。
つらい場面でも、声に応えてくれる。
記念日の魔法
目薬を差したあと、しかめっ面になるさくらさん。
そこで「今日は結婚記念日だよ」「さくらさんがお嫁さんになった日だよ」と耳元でささやいた。
すると、険しかった眉間のしわがすっと消えた。
声が届いたのだ、と胸が温かくなる。何を感じたのだろう。
結婚写真を見せようと急いで取りにいったけれど、戻ったときにはもう眠っていた。
それでも、言葉のひとしずくは心に染みたのだと思う。
勝手な思い込みかもしれないけど、さくらさんと竹さん、それぞれに心が届いた不思議な一日。
記念日が、親子3人をつなげてくれたのかな、と思った今日なのであった。
まとめ
-
父へは「まだ迎えに来ないで」という願いが届いた
-
母へは「声かけ」が確かに届いた
-
結婚記念日の一言で、表情がやわらいだ
- 記念日が親子3人をつないだのかも