
空の上での再会
4月9日。今日は、さくらさんの妹、梅さんの十六回目の命日である。
今年は、さくらさんもそちらに合流している。
きっとにぎやかに笑い合っていることだろう。
二人の母親の名前は、はるさん。
はるさん、梅さん、さくらさん。三人並べば、まるで季節のようだ。
満開の花の下で、お花見をしたんじゃないかな。
梅さんの美しさの秘密
梅さんは、とにかく肌がきれいだった。
白くて、しわがなくて、透き通るような肌。
思わず見とれてしまうほど。
昔、うちに来た時「お風呂借りるね〜」と入っていった梅さん。
30分後に通りかかると……まだ鏡の前にいる。
「えっ、まだ入ってないの?」
さらにしばらくして、また通る。
まだ鏡の前。
今度は、丁寧に顔をマッサージしている。
おっとりしている人ではあったけれど、さすがに長い。
でも今思えば、あの時間こそが、美しさの積み重ねだったのだろう。
気になって、使っている化粧品を聞いてみた。
すると衝撃的な答えが!
まさかの、わたしと同じ物。
えええっっ!?
同じ物を使っているのに、なぜこうも違うのか。
私の方がずっと若いのに、全然違うじゃないか。
やはり、「美は一日にしてならず」である。
梅さんは、かなり偏食家だった。お肉は食べなかった。
それでも肌はきれい。
さくらさんも、最後は点滴だけで過ごしていたのに、肌はきれいなままだったから、もしかすると、家系なのかもしれない。
できることなら、私も受け継ぎたかったけれど……どうやら、別の遺伝子をしっかり受け継いだらしい。
せっかちと、のんびりのいい関係
そんなふうに、見た目の美しさも印象的だったけれど、私が好きだったのは、“中身のやわらかさ”だった。
梅さんは、家事が得意なほうではなかったと思う。
それでも台所に立つと、一生懸命やっている。
ただ、その動きがとてもゆっくりだった。
さくらさんは、しびれをきらして、すぐに言う。
「もう、早くしなさいよ」
すると梅さんは、「はーい」と返事をして、ちゃんと急いでいる“つもり”になる。
けれど、その全力の早さが、急いでいるようには見えない。
そういえば、はるさんも、おっとりした人だった。
お姉ちゃん気質のさくらさんは、つい口うるさくなる。
けれど梅さんは、それを笑顔で、ふわっと受け流す。
怒られているはずなのに、なぜか空気がやわらぐ。
急ぐ人と、急がない人。
正反対のようだが、そのバランスがちょうどよかったのだろう。
いいコンビだった。
どうぞ召し上がれ
今日は、いちごとコーヒーをお供えした。
甘いものと、ちょっとほっとするもの。
会話に、少しでも花が咲いたかな?
思い出すということは、その人を、もう一度そばに呼び戻すことかもしれない。
梅さんを思い出しながら、一緒に過ごしているような気がした日だった。
まとめ
・梅さんは、やさしくておっとりした人だった
・さくらさんとのやりとりは、今思い出しても微笑ましい
・二人は良いコンビだった
・思い出は、今も心をあたためてくれる
梅さんの去年の記事
我ながらうまく書けた思ったもの(調子に乗って自画自賛)
sakuratomomo254.hatenablog.com