
今日はお題コーナーをもとに書いてみたい。
私はずっと、鼻と口の間のひげのことを「鼻ひげ」だと思っていた。
だって、鼻の下にあるし。名前もそのまんまでしょ?
ある日、中学生たちと話す機会があった。なぜだか話題は「鼻ひげ」に。私は自信満々に、「鼻ひげがさ〜」「鼻ひげってさ〜」と連呼。
すると、一人の子が真顔で首を振って言った。「それ、口ひげです。」
えええっっ? ほんとっっ!?
「え?口ひげって言うの?」と聞き返すと、周りの子たちも神妙な顔で大きくうんうんうなずいている。思わずめまいが…..
この衝撃の事実が私を襲ったのは、40代半ばの春。それまで知らなかった。いや、気づかなかった。なぜだ……
誰からも指摘されなかったのは、もしかして、あまりに私が堂々と言うものだから、みんな大人の優しさでスルーしてくれていたのかもしれない。
それから数日後、さくらさんとテレビを見ていたときのこと。
画面には立派な「口ひげ」のタレントさん。
さくらさんがぽつりと一言。
「この人、鼻ひげ剃ればいいのにねぇ。」
犯人、見つけたり!
そうか、私はここから間違いを受け継いだのだ。
私は得意顔で言った。「『口ひげ』って言うんだよ。」
でも、さくらさんは「ふうん」と気にも止めない。私とは使ってきた年季が違う。今さら変わるはずもない。
待てよ、そういえば、さくらさんのお父さん、つまり、私の祖父もたしか口ひげを生やしていたな。もしかしたら、さくらさんも、親から受け継いだのでは?そう考えると、「鼻ひげ」は代々受け継がれている大切な言葉なのではないか。まさしく我が家の無形文化財?そんなわけない。言い過ぎました。

とにもかくにも、我が家ではこれからも、あれは「鼻ひげ」なのだ。
外では気をつけて話そう。家の中と外では、ひげの呼び名が違うのだ。
お題は「子どもの頃に勘違いしていたこと」だったけど、気づいたのが大人になってからの話で、ごめんなさい。
でも、きっと勘違いのタネは子ども時代に植えられていたのです。犯人(母)によって——!